プロフィール

佐井 亮太

1982年、大阪生まれ。

7歳の頃に始めての海外旅行で訪れたイエメンで、日本との社会経済的なギャップに衝撃を受ける。

大学卒業後は、鉄鋼系の専門商社で8年ほど海外ビジネスを経験し、その後、英エセックス大学にて修士課程を終了した後に、開発コンサルタントとしてのキャリアをスタート。

東南・南アジア、サブサハラ・アフリカ地域において、貿易・投資促進など産業開発案件に従事。特に、現地のビジネス環境改善を目的とした、政府機関の機能強化や関連法制度の改善に関わる。業務を通して、日本企業の誘致にも携わる。

【講演実績】

2021年3月 大阪府大阪市
一般財団法人アジア太平洋研究所が主催する「アジアビジネスにおけるSDGs実装化プロジェクト」2020年度フォーラムにパネラーとして登壇。

【SDGsビジネスへの想い】

開発コンサルタントの仕事として、開発途上国の社会課題に直に触れることが多い。調査業務として、特定の社会課題について詳しくリサーチすることもある。その結果を基に、ドナー機関が案件形成を行うことから、その役割は重要であるため、課題の整理・分析の仕方については常にブラッシュアップを心がけている。

まだ未熟ながら、これまで開発コンサルタントとして開発援助に関わってきた所感として、ODAによる長年の支援にもかかわらず、なぜ途上国ではいまだに多くの社会経済課題が存在するのか、私自身の能力の限界を憂いつつ、業界全体としての限界も感じている(もちろん、個別にみれば効果のあった事例は数多くある)。

その点について、ビジネスがもつ優位性があるのではないかと思いはじめ、従来のODA(無償資金協力や技術協力)では解決し難い部分を特定し、そこを民間連携によって補うことができないか、その方法を日々模索している。

ODA支援と異なり、ビジネスの場合は、コマーシャライズすることが求められる。SDGsビジネスは、これまでのCSRではなく、持続性を担保するため、本業の一部でなければならない。

途上国では、単に、何かを提供しその対価を得るというビジネスモデルは確立しにくい。BOPビジネスのように、BOP層にコストを適応させることも一つであるが、社会課題の解決となると、コスト負担をだれにさせるか、資金的な問題を抱える途上国において、それが可能になるような全く新しい仕組みを考える必要がある。

社会課題を解決したい現地のステークホルダーと、そこで新しいビジネスを構築した企業との間には、大きなギャップがある。単にそれぞれが、ニーズとシーズを持ち寄っても、話は前に進まない。製品・技術を持たないコンサルタントとして、SDGsビジネスを創出するためにできることがあると思う。